DINO BOSCO

ディーノ・ボスコ

ディーノ・ボスコ DINO BOSCO

ザ・アイコン

インテル

伝説の俳優ディーノ・ボスコは最近、苦境に立たされている。芸術家の家庭に生まれた彼は、家業を継ぐことに反発していた。裕福な家庭であったが、彼は自身の立場に悩まされていた。偉業とは「自分の力で得るもの」と考え、80年代初頭に低予算のホラー映画とアダルト作品に出演したことから、誰一人として彼の努力に異を唱えられる人物はいない。

1990年代に入ってすぐ、ボスコは利己的な利用をアートとして捉える新鋭映画監督の目に留まり、あっという間に世界のシネマ業界の新人スター俳優となった。

しかし、映画俳優としての成功が認められ、スターの座を確立させたのは、セルジオ・ティントが手がけたイタリアン・ネオリアリズムを振り返る作品、イル・ブッフォーネで賞を獲得した後であった。

ボスコは世界を手中に収め、様々な映画作品に主演・監督することができるようになり、その名はさらに知れ渡って行った。I.E.スタージェスの60年代に流行ったノベル作品の映画化、トニー・デーンシリーズは世界中で大ヒットし、ボスコのやることに間違いはないとも長く言われ続けていた。

しかし、その栄華は長く続かなかった。ドラッグとアルコール漬けの生活のツケがすぐに回ってきた。カンヌ映画祭でのトニー・デーンの最終作品、イル・ブルートのプレミア上映時、プロデューサーたちが彼の「最高傑作」を勝手に再編集したことで怒り、スクリーンに放尿してしまう。そんな「気難しい性格」から周囲には嫌われ、ドラッグとスキャンダルまみれの生活に堕ちていった。

そのため、ラヴェントゥーラ・ピクチャーズがコミック作品「ザ・アイコン」の映画化においてボスコを監督・主演として起用したことに多くの人々が驚いた。

しかし、撮影は難航している。ボスコは「芸術が何たるかを知らない強欲なプロデューサーどもから離れるため」とし、プロダクションを丸ごと乗っ取ってサピエンツァへ向かった。