JACK ROE

ジャック・ロウ

ジャック・ロウ JACK ROE

調達人

インテル

有名カリスマ「デンマーク人」シェフのジャック・ロウ、またの名をヤコブ・ローは、見かけとは全く異なる人物だ。素晴らしい才能に恵まれながら生粋のショーマンでもあり、新北欧料理という米国のニッチな市場を見つけると、デンマーク人シェフ、ヤコブ・ローを名乗るようになった。

ブルックリンのシングルマザーの元に生まれ育った一人っ子の彼は、学業が苦手で、学校は早々に中退した。美味しいものに興味があったため（母親は料理上手だった）、調理師学校に通いはじめ、そこで料理の才能を開花させた。

ロンドンの有名レストランに見習いとして入ることになり、イギリスに引っ越した彼は、デンマーク人ウェイトレスのリッケ・ムースに出会い、すぐに恋に落ちた。見習い期間が終わると、二人は新しい料理のブームが起きようとしていたデンマークに移る。

ロウ氏は最初は新北欧料理に懐疑的であった。しかし、シンプルでありながら複雑で、正しく調理すれば食べられないものはない、という考え方は、食品ロスを嫌う彼にとっては魅力的だった。しかし、あまりに料理にのめりこんだため、カップルはやがて別れてしまい、ロウ氏は故郷ブルックリンに帰らざるを得なくなった。

ブルックリンで「セーフリームニル」という小さなレストランを開き、このエキサイティングな新しい料理を提供し始めたが、あまり興味を持つ人はいなかった。料理が珍しすぎたのだ。客を得るのに必死なロウ氏は「デンマーク人シェフ、ヤコブ・ロー」を名乗るようになり、それが功を奏した。スカンジナビアから来たシェフが作っているのなら本物に違いない、と思われたのだ。

やがて、彼は町中の話題となった。彼は事業を拡大していき、気づいたときには、トークショーに出演し、雑誌の表紙を飾るようになっていた。彼のレストランはブランドとなり、他のレストランや、ケータリングサービス、ブランドの商品まで広がった。

しかし、やがて転換期がやってきた。元恋人のミス・ムースが突然、財産の一部を渡さなければ正体をばらすと脅しに来たのだ。話し合いはやがて暴力的になり、ミス・ムースは不幸にも事故死するに至った。どうしていいかわからず追い詰められたロウ氏は、遺体を処分することにした・・・それもクリエイティブな方法で。ミス・ムースは「レストランでは」大好評だった、とだけ言っておこう。あまりに人気だったため、ロウ氏は新しい計画を考えた。みんな気に入るなら、なぜ無駄にする？

しかし、ロウ氏は殺人者ではなかった。ミス・ムースの死は事故だった。しかし、毎日誰かが死んでいる。虫も殺さず（少なくとも物理的には）、欲しいものを手に入れることは可能なのではないか？必要なのは同じ考え方を持ったパートナーに「食材」を供給してもらことだ。それは決して簡単なことではない。

しかし、師の葬式に出席するためにイギリスに戻った時、彼に運命の出会いが訪れる。のちに、「食材」を無駄にしてはならないという彼の考えに共感していく、気弱な遺体整復師のバーク氏と出会ったのだ。