VICENTE MURILLO

ビセンテ・ムリージョ

ビセンテ・ムリージョ VICENTE MURILLO

革命家

インテル

ビセンテ・ムリージョは、1980年代のボリビアのファシスト民兵組織「テロル・ブランコ・ラティーノ」（ボリビア反共産主義の暗殺部隊「死の婚約者」の後継組織）の老いた指導者で、絶頂期の冷戦時代には、打倒共産主義で西側の多くの同盟国から誘いを受けた。だが時代が変わり、戦いが終わると、勢力争いは制御を失い善悪の区別もつかなくなり、ムリージョは彼らの汚点となった。過ちを正す時が訪れ、ムリージョは南米で最も危険な男の一人としてブラックリストに挙げられた。

彼は消息を絶っていた・・・つい最近までは。

ムリージョの幼少期についての情報はなく、子供時代についての本人の証言自体も頻繁に変わるため一切当てにならない。病的な虚言癖があり（サイコパスの特徴）、ある時は質素な農家の家庭出身、ある時は迫害を受けた学者の息子だと証言している。思い切って数人がこの件について質問したが、その後いずれも消息不明となった。しかしムリージョは孤児で路上暮らしをし、生き延びるために軽犯罪を犯していたと考えられている。

ムリージョについて初めて言及されている書類は1970年代末のもので、「コンドル作戦」のファイルに新兵として登場する。これは、クラウス・バービー（通称クラウス・アルトマン、リヨンの虐殺者）と「死の婚約者」の創設者ステファノ・デッレ・キアーイエに紹介された時で、1980年にルイス・ガルシア・メザ将軍を権力の座に導いた「コカインクーデター」では重要な役割を果たした。その政権は1981年には倒れ、ムリージョは我が道を進み、敗北を認めずに自分の派閥「テロル・ブランコ・ラティーノ」を発足した。

ジャングルに引きこもり、共産主義の脅威と見なすものすべてと戦い続け（サンディニスタと戦うためにニカラグアにも入国）、「ファシストの理想」の脅威だと考えるものすべてを誘拐、拷問し、殺害した。冷戦終結が近づくと、元支援者たちでさえ彼を問題視し始め、ムリージョの暴力的な手段は新たな脅威とみなされた。

ムリージョとその組織は、残された時間が少ないと感じ、忽然と姿を消してしまった。「始末された」と考えた（願った）人々もいるが、極秘文書によれば、ムリージョとその組織にコロンビアのジャングル奥地にあるデルガドの広大な土地が渡り、以来、そこに暮らして新しい世界秩序を構築するための準備を続けていたようだ。

ムリージョは新たな民兵を勧誘するために、表舞台に現れた。彼は民主主義があふれている今の南米で、自分は必要な人物だと考えている。かつてのボリビアでの麻薬コネクションは南米のコカイン領域のほとんどを網羅しており、それゆえデルガド家カルテルとは親密な関係にある。こちらの情報によれば、ムリージョの仲間の多くが年老いているため、新しい世界秩序の政権を確立するための若き戦士を必要としている。

ICAはよく知られた政府機関に、ムリージョにつながるあらゆる関係を排除するために雇われた。

世界は不安定な状態にあり、ムリージョは冷戦時代を呼び起こすような危険性を秘めている。