KODY HAYNES

コディー・ヘインズ

コディー・ヘインズ KODY HAYNES

コレクター

インテル

コディー・ヘインズは、子ども時代は宝物をコツコツと探しては飾り、大人になってから新進気鋭のアーティストを発掘するなど、常に熱心なコレクターだった。周囲はそれを趣味としてしか見ていなかったが、コディー・ヘインズ自身は決してそうは思っていなかった。彼にとっては、求める作品を所有したいというあくなき欲求であり、人生を形作るほどのものだった。

収集欲を満たすためには資金が必要だったため、金目当てで、「ティップ・タップ・トゥ」ファーストフードチェーンの娘を口説き落として結婚した。しかし、10年ほど、好きなだけ金を使える二重生活を送った結果、策略がバレてしまい、責任を逃れて地下に潜伏することを余儀なくされた。

社会的なしがらみから逃れ、彼の収集癖は暗い陰りを帯びるようになる。収集に専念できるようになったが、資金がないので、コディー・ヘインズは独創的な方法を取らざるを得なくなった。元より綿密な計画を立てるのが得意で、高度な変装技術を持っていたので、よく練られた話をでっち上げて、コレクションに欲しい作品を盗むようになった。この方法の完成度が高まるにつれ、より有名な作品も手に入れられるようになったが、すでにそれでは彼の所有欲は満たされなくなっていた。嫉妬深い恋人のように、作品のそれまでの所有者の存在が彼を苦しめるようになったのだ。

今回のシサール・バルドゥの全作品コレクションを集めるにあたって、彼は一つの解決策を見出した。これまでの所有者を消してしまう、というものだ。